2013年 第39回 美術の祭典・東京展 受賞作品



◆功労賞・東京展賞 原弘


◆東京展賞 山崎仁 ベップヒロミ


◆地域おこし特別企画(グルグルハウス賞) 小林五空


◆優秀賞 片桐とみか 明輪勇作 石塚亨 藤澤恵子
小倉宗 吉川潔 加藤雅巳 釈田一良


◆奨励賞 荒木一男 中沢錦代 堀井武彦 堀部和子 井出三太
木村法子 清野裕子 西浦絵理 松下元夫 ミト五十嵐
石井正樹 工藤茂雄 石田日奈子 清川浩美

会場風景



シンポジウム
     
   東京展が各美術団体に先鞭を付けシンポジウムの見直しを図ったのが2005年。それから8年の歳月が過ぎた。今では何処の団体も色々なシンポジウムを行っている。東京展のシンポジウムは2年間の都美術館改修期間と昨年合わせ3年間の休止から、本年また復活した。本年は、主テーマを「若年層のいまどき芸術(美術)への思考法」と題して、9月14日都美術館講堂で行われた。副題として「若年層の美術団体離れは何故起きているのか?」とし、それを中心に話し合った。
パネラーに、美術評論家:赤津侃氏、美術史家・多摩美術大学教授:本江邦夫氏、中堅としてサトエ21世紀美術館主任学芸員:江口健氏、現役の作家としてネット絵師のスター:藤ちょこ氏、そして今回最も発言を期待した、武蔵野美術大学・東京芸術大学の現役学生2名、司会:齋藤鐵心で構成した。各美術団体でも若年層の美術団体離れを危惧し、様々な事をやり始めている。将来の日本の美術界を担っていくであろう専門の教育を受けている若者が何故、団体離れを起こしているのか?これを探って見た訳だ。学生の発言は、やはり、「美術団体に出品してもそのメリットがない」、「昔からのヒエラルキーが嫌だ」、「団体展にとらわれず個展、公共の場、海外での発表をしたい」。が主で事前アンケートでも多く記載されていたものとほぼ同じだった。私自身が日本の団体展を見ても世界の美術の潮流とは大きくかけ離れている。若者は肌でそれを感じ取っているだろうし、今の美術団体の状況には触手が動かないのだろう。何も世界の潮流の後追いをしなくても、目指すは日本の美術状況が世界を牽引して行ける状況になればすごいことだが、その中での美術団体の役目は現状からみると苦難の道かもしれない。
美術運動体としてグループの役目が終わり、それが形骸化したまま美術団体へと発展して行った時、残るのは閉鎖性と、ヒエラルキーだけだ。若者、いや若い感性を持った年功を経た作家でも皆それを回避するはずだ。学生さんは、勉強も忙しく、自己作品の出品の場所としては団体展を注視していないのが現状なのだろう。しかしそれでいいのだろうか?自己が目の当たりにしている美術状況をしっかり見据えるのも必要だろう。
団体展が駄目と見るなら大声を張り上げて改革に参加していく気概も必要だろう。討論自体は中盤以降活発になったが、若年層を今後どうすれば取り込んでいけるかの問題には至らなかった感がある。又そんなに簡単に小手先だけで答えを引き出せる問題ではない。
最後に、本江邦夫氏の発言が今後の団体展一つのあり様を示唆しているのでここに記しておく。「美術というジャンルで、作家を目指し、大学という場で専門の教育を受けながら、殆どの人が、作家活動をやめていく。美術団体という場であっても、作品を発表し続けることは、その本人にとっても一つの活動の場であるし、そこから又新たな創造の発展が出て来るのではないか・・。」ヒエラルキーなどの問題ではなく、創造活動を自分のものとして行く為に、団体展の役割というものもあると感じ取った次第。今後も上記のテーマで、シンポジウムを行って行く予定である。

 (文責 齋藤鐵心)