2014.08.27 Wednesday
第40回美術の祭典・東京展の内部企画展示で、
インターネットと現代の絵師たちPART2が行われます。
【この「インターネットと現代の絵師たちPART2」展は「第40回美術の祭典・東京展」の会場内での開催になります】
●日時:2014年9月9日(火)~15日(月) 9:30~17:30 (最終日は14:00終了)
●会場:上野・東京都美術館(2階 第1~4展示室)
●URL:www.tobikan.jp
●参加絵師:碧風羽・藤ちょこ・JH科学・K,Kanehira・ざいん・PALOW・シマダット・朱華・99・赤木・しいたけ・ちゃもーい・中村エイト・乃煌 (なお参加予定であった憂さんは、都合により不参加となりました。)
●入場料:一般800円 学生および70歳以上は無料
●会場内の行き方:正面玄関入って左に進み、院展(日本画)の会場すぐ左手にエレベーターがあり、それに乗って2Fです。
●会場の入り方:まず受付で招待券を見せるか、チケットを購入していただくか、身分証明書をご提示の上(学生及び70歳以上無料)入場していただき、15,16,17室が企画展示会場となります。
昨年ご好評いただいたPART1に続いて、少し規模を拡大してのPART2です。
絵師14名中6名が昨年に引き続いてのリクエストに応えてくれました。
他8名は新しい絵師で、展覧会の構成上、方向性がかぶらない作風、という基準でお声掛けしました。
企画意図は三つ。 一つ目は新しいアートの潮流の紹介、二つ目は反権威主義、三つめはイラストや漫画の展示をやって来た東京展の伝統です。
昔は紙媒体であったものが次第に映画やテレビに乗っていき、今はインターネットで四方に拡散するコミック系イラスト。
特に若い年齢層において自由に投稿閲覧できるサイト(インターネットの場)が立ち上がったことが、今の日本の美術の状況において大きいです。
コンピュータが自由自在に扱える若者たちは従来考えられなかったような緻密な表現をモノにし、新しい地平をどんどん切り拓いています。
こうした新鮮なアートを紹介してゆくのも東京展の使命であり、かつ伝統でもあります。
さらに“反権威主義”についてですが、今年、京都精華大学の学長になった著名な漫画家でもある竹宮恵子氏はインタビューにおいて「マンガという反骨・反権威の表現」
と言い切っています。
一点モノの絵画や彫刻はどうしても単価が高くなり、一部のお金持ちや権力者の影響を受けやすい媒体です。
しかしマルチプル(複数製作)である印刷媒体によるマンガは庶民の手に渡りやすく、数的に圧倒的である民衆のものとなりやすい傾向があると言えます。
また、そこには厳しい実力主義の世界という現実もあります。
どんなコネを使っても、情報を操作しても、面白くないものは売れないのです。
2世3世の多い政治や芸能の世界とは異なり、イメージでマンガは売れて行きません。
コミックイラストに関しても同様で、売れている絵師は純粋に作品に魅力がないと生き残れません。
マンガやコミックイラストの、このような実力主義は当然“反権威”“反権力”とセットとなる構図なのです。
しかし一言でコミック系イラストといっても、いろいろなジャンルがあり、人気の高いマンガやアニメのパロディーのような“二次創作”と言われるものから、
男性受けする“萌え系”、さらに“腐女子”と言われる女子層に人気のボーイズラブを描いたイラストまでウイングは広いです。
今回の東京展では、そうした多角的な断面は紹介出来ませんが、オリジナルにこだわったクオリティーの高いイラストを厳選してお見せすることになると思います。
年齢は非常に若い人たちですが、既に世に出て大活躍している絵師ばかりです。
新しい時代の息吹を感じていただけたら幸いです。