美術の祭典 東京展 TOKYOTEN
■東京展案内 ■作品募集 ■会員名簿 ■リンク ■HOME
会場風景  
●受賞作品 ●東京展アニュアル
2003年9月18日から10月3日まで第29回東京展が上野・東京都美術館で開催された。ここにその印象を列記してみたい。
先ず、新出品者に力の入った作品が多かった。そして東京展初出品ながら優秀賞を受賞した作家もいた。これからが大いに楽しみ。東京展賞は今回残念ながら該当者はなかったが、次回第30回東京展には確実に受賞者が出ることを予測させていた。それだけ質の高い作品があったということである。
会場風景
会場風景

さて、会場構成を見てみると、第1室が非常に狭く感じられた。その空間にさらに高さのある立体作品が置かれていたのが気になった。第1室に入ったときの印象はかなり大切で、観る側に圧迫感や狭量感を与えないほうがいい。あれだけ広い会場を持つ東京展である。もう少し何とかならぬのかと思った。立体の部屋も狭く、次回からは背丈の低い立体作品は、どんどん他の広い部屋に設置しても良いのではないか。部屋割りも見直しを迫られている時期に来ていると思う。
「顕彰故展」の部屋も圧巻ではあるが、もっとゆとりを持って観れる空間構成が必要だろう。
その他1F、2Fともに、特に破綻をきたしている部屋構成はなかった。写真の部屋は出品者も多くなり見応えがあった。版画・イラスト・絵本の部屋も面白く見ることが出来た。しかし全体的な印象は
狭く感じる部屋と、ゆとりのある部屋の差がありすぎることであった。次回は最終的にもう一度見直し作品構成・部屋の広さ等、変える必要があるのなら思い切って変えてみるのはどうであろうか。
展覧会自体が一作品であるとの認識を持つことによって、それは可能になると思う。
会場風景

来年は第30回東京展という節目の年である。おそらく本年以上に力の入った作品が集まってくると思う。展覧会自体が良い展覧会であったとの印象を持つのは、やはり基本的には個々の制作者の作品に対する力の入れようである。思いっきり自己の思いを作品にぶつけ、溌剌とした活気のある作品が集まることを望んでいる。
 最後に壁面の問題点を一つ挙げておきたい。壁面の補修の跡であろうか、色違いのパネルがそのままはめ込まれてあり、その色によってせっかく展示した作品が壊されてしまっている場がところどころにあった。欧米の美術館では考えられないことである。次から次へと各団体が使用し、壁面の一部の色など直している暇はないのかもしれない。しかし美術という微妙な空間を必要とする場では、留意しなければならない点の一つであることは確かである。なるべく早い時期に統一された色面の壁を他団体も含め我々に提供していただくことを美術館側に期待したい。
顕彰故展

写真撮影©藤樫正・村岡千穐
お問合せ お問合せ
Copyright 2002 ©TOKYOTEN All Rights Reserved.